【一人会社の独学経理術】買掛(かいかけ)帳を書いてみよう

目次

前の回で解説していた「売掛(うりかけ)帳」

で予告していた通り、もう一つの対になる補助元帳・

『買掛(かいかけ)帳』

に関する内容を取り上げてみます。
できたての会社には企業的な信頼性が低いためまだ気が早い気もしますが、いつなんどきも備えが大事ですので、今回は複式簿記のなかでは

必要補助元帳

の中でも、買掛取引で記帳する買掛帳について基礎的な書き方をお勉強しましょう。

買掛帳

前の回で掛取引

の概要を説明していました。
そこで「買い掛け」のことにも触れましたが、

「まだ支払らっていないけど後日清算しなければならない」

ことを指しています。 俗にいう「ツケ払い」のことで、仕入先に対して借金を負うようなものですので、企業間で掛取引を行う場合、それなりに厚い信頼が無いと成り立ちません。
掛取引が企業間で執り行なわれる場合、どちらかに

売掛金

が発生すると、他方ではかならず

買掛金

が発生します。
前回の売掛金の例で、とある会社Aは原料などを調達先のB社から消耗品を月に何回か仕入れており、その代金を翌月末にB社へ支払うような場合、B社はまだもらっていない代金を売掛金として「売掛帳」へ、A社はまだ支払っていない代金を「買掛帳」へそれぞれ残高を記帳しないといけません。
買掛帳の目的は、売上代金の払い忘れがないかをひと目でチェックすることです。 買掛帳も売掛帳も考え方は一緒で、

取引先別に買掛帳を作成

しなくてはなりません。 先ほどのA社の例でいうと、B社との掛取引で使う買掛帳、これとは別にC社、D社...と取引先ごとに買掛帳に記帳・管理することが求められます。
ちなみに、買掛帳は人によっては買掛金元帳とか仕入先元帳とも呼ばれているようです。

未払金との違い


買掛金と同じように、代金を後払いを行うときに、「未払金」という勘定科目を使う時があります。
例えばAmazonや楽天のウェブショップで、会社の消耗品を会社のクレカ払いで購入したときに、「未払金」として計上し、代金が引き落とされた翌週に支払うようにします。
なお

未払金とクレカ払いに関する仕訳は預金出納帳の回で具体的な記帳方法

を解説しておりましたので、気になる方はそちらの記事も参照してください。
ただ、言葉尻だけで捉えると、未払金も買掛金もツケ払いしていることには変わりありません。
ですが、単純に消耗品をクレカ払いするだけでは「買掛金」の勘定科目は出来ません。
買掛金を使うには、基本に確固たる仕入先があり、その仕入れる材料・サービスが会社の事業に必要不可欠なもので、一定期間ごとに仕入れる必要のあるものである必要があります。
例えば飲食店の場合、料理するための食材を毎日“仕入れ”ますが、これは店の営業に必要だから、「買掛金」で仕訳します。 対して、不定期で仕入れ数の少ない物品などを購入するときは「未払金」で仕訳します。

勘定科目の話〜買掛金と仕入


買掛帳は、「仕入先元帳」とも呼ばれるように、勘定科目「買掛金」と勘定科目

「仕入」

は密接な関係にあります。
先程の未払金との違いでも述べたように、

「主たる営業品目の仕入かどうか・仕入先が指定されているか」

という判断基準で、「買掛金」で仕訳するか、「未払金」で仕訳するかを判断します。
つまり、未払金は会社の資産の購入代金や経費支払いを後払いにしたときに計上する負債科目でしたが、買掛金は主たる営業品目の仕入から発生した未支出金を計上する負債科目です。
なので、「買掛金」の相手勘定科目は「仕入」、もしくは「材料仕入」とか「材料費」なども利用されるようです。
とにかく、会社の営業で必要となる材料の「仕入れ」状態とみなされないと、買い掛けとはいわないようです。事業は軌道に乗って安定しないうちは、材料の購入もその場限りで、材料が無くなり次第で不定期なことも多いでしょうし、このような状況ではとても“仕入れ”る状態にはならないわけです。
売掛帳と買掛帳は一人会社の確定申告で必要な補助元帳とされておりますが、起業して間もない一人会社にとっては、圧倒的に

売掛帳 >>> 買掛帳

という扱いになるのはしかたないことです。

具体例〜買掛帳を記帳してみる


ともあれ、ここからは買掛帳の書き方を考えてみます。
基本的に買掛帳に記帳するタイミングは、仕入れした際に未支出金が成立したときと、支払いの清算を行ったときの2回で仕訳し、同時に買掛帳にも記帳します。

①9月8日 洋食屋Aが調理の原材料としてパスタをクレジットカード払いで12000円でスーパーBから仕入れた。

②10月15日 翌月のクレジットカード決済により銀行口座から引き落とされた。

※なお話を単純化するために、その9月中に他の買い物はしなかったものとします。

まずは材料を仕入れた際に売掛金が発生したときの仕入れから仕訳けます。


まず買掛金は未払金同様に負債科目ですので右側の貸方が定位置です。 貸方の勘定科目に

買掛金

を12000円で記入します。
反対の借方にはその相手勘定科目として

仕入

を12000円で記入しておきます。
このときの仕訳から

買掛帳

にも記帳してみます。


買掛帳も売掛帳と同様、一つの取引先ごとに帳簿を付けなれけばならないので、ここでは掛け取引を行っている仕入先「スーパーB」専用の買掛帳となります。
次に後半の②の取引を仕訳けて、仕訳帳に追加します。


銀行口座からの代金引き落としになりましたので、資産が減るわけで、このときの勘定科目「普通預金」は右の貸方のポジションに入れます。 その事由として、相手勘定科目は「買掛金」であり、反対の左側に借方として記入します。
これでようやく、クレカ払いの代金が銀行口座から引き落とされた、という取引の仕訳が完結したわけです。
ではこの内容を買掛帳にアップデートしてみます。


材料の仕入れの代金を口座引き落としで清算したことで、未払金の残高はゼロになったことが分かります。
買掛帳をつけるメリットとして、買掛けで発生した未払金がどのくらい残っているのか、払い忘れはないかがひと目でチェックできるようになることが分かります。

まとめ


今回は買掛帳の書き方を簡単に考えてみました。
おそらく一人会社の経理ごとでいきなり買掛帳を書くことにはならないと思いますが、事業が安定してきて、コンスタントに材料を仕入れないといけなくなったら、きちんと買掛帳を管理しなければならないことを頭に入れておかれるとよいと思います。

参考サイト


以下参考にしたサイトです。
参考サイト:

買掛帳の書き方・作り方を記入例付きで解説!買掛帳の役割と必要性


参考サイト:

クレジットカード払いは買掛金計上か未払金計上か