【一人会社の独学経理術】預金出納帳を書いてみよう

目次


前回は

現金出納帳の付け方の概要

で、

現金

出納帳を説明しました。


それで、今回は

『預金出納帳』

の書き方を学びます。
素人目でこの二つって全く同じ帳簿を指しているんでしょう?と思っていたら、後々とても痛い目に会います。 一文字あるかないかで、この二つって全く違う帳簿ですので、注意深く違いを理解していきましょう。

預金出納帳?


簿記における『預金出納帳』は記帳を義務付けられている帳簿の一つです。
その帳簿の役割とは、会社が保有している各金融機関の口座別に、入出金が発生するたびにそのすべてを記録することです。 日々の会社の銀行口座すべての預金の入出金を管理するためのもので、会社の預金残高を明らかにするために必要な帳簿です。 預金残高を常に正確に把握しておくことで、事業の収益性や成長性なども確認することができます。
今日日の取引では、現金を一切介さない、クレジットカードやネットバンキング振込などオンライン決算などの銀行預金口座を活用した取引をすることが主流になっておりますので、この「預金出納帳」の記帳はかなり頻度が高い帳簿だと言えます。
預金出納帳を付ける時のもっとも大きな注意としては、複数の金融機関や預金種類に応じた帳簿をそれぞれ別にして記帳する必要があるので、ごちゃまぜにして1つにまとめることはできないことが挙げられます。
例えば、A銀行の普通預金口座、B銀行の普通預金口座を利用している場合、それぞれ金融機関別の預金出納帳を作成しなくてはいけないのです。
さらに、同行の口座であっても預金種類(普通預金、当座預金、定期預金など)が異なっていたり、更には複数の預金口座がある場合にも、口座別に預金出納帳を作成する必要があります。

+ 預金出納帳は、預金種類別・金融機関別・口座別に作成する

この切り分けをしっかり意識して、日頃の仕訳を正確にすることで、正しい預金出納帳を付けることが可能です。

会計ソフト上の預金出納帳


イメージが付きやすいように

マネーフォワード クラウド会計

の中で

預金出納帳

がどうなっているか実際に確認してみます。
まずはマネーフォワード クラウド会計から

[会計帳簿] > [現預金出納帳]

を選択します。


このページでは現金出納帳と各種預金出納帳がセットで選択できます。 ページ左上の勘定科目のコンボボックスをみると以下のような項目が出てきます。


現金出納帳の場合は、「現金」の勘定科目が元になって仕訳帳から集計された帳簿になっていた一方で、こんかいの預金出納帳は、「当座預金」・「普通預金」・「定期預金」・「その他の預金」の4つの勘定科目からなる帳簿です。
とはいえ、通常は「普通預金」を使うことがほとんどではないかと思います。
それで一例として弊社の場合、メインの法人口座のゆうちょ銀行の普通預金出納帳を確認してみます。

[現預金出納帳]

のページから、

[勘定科目] > 普通預金

を選択し、対象となる銀行口座を

[補助科目] > 銀行名

で探し、検索ボタンを押すと、仕訳帳から自動で生成された

預金出納帳

が以下のように確認できます。


マネーフォワードクラウド会計で預金出納帳を正しく機能させるポイントは、

補助科目=銀行口座名

を正しく設定しているか確認することです。
前節でも述べたように、仕訳帳から預金出納帳を正しく自動生成させるためには、仕訳の勘定科目に「普通預金」として、補助科目を空欄にしてしまっては正しく仕訳されないのです。
会社の銀行口座のお金を動かすときには、勘定科目だけでなく、

補助科目=銀行口座名

をしっかりセットで記帳するようにしましょう。

例題〜預金出納帳を書いてみよう


それでは、ここからは非実在高校生Aくんが、B銀行の普通預金口座のお金の出し入れを預金出納帳に記帳するときのケースで考えてみましょう。
前節の会計ソフトの預金出納帳でも見て取れるように、預金出納帳に通常記載する項目は概ね以下のとおりです。

・日付

・補助科目

・相手勘定科目

・摘要(入金した理由・出金した理由)

・入金額

・出金額

・残高

なお、銀行取引履歴は通帳を全て記帳すればすべての項目を確認できると思いますので、現金出納帳よりも確認はしやすいはずです。 それでは、時系列ごとにAくんの取引の内容から仕訳して、預金出納帳の書き方を見ていきます。

4月1日 AくんはB銀行に自分用の普通口座を作って手持ちの50000円を預入した

とりあえずAくんの輝かしい預金出納帳デビューの日です。
ちなみに会社であれば、これを法人設立日に資本金を銀行口座へ入れるときの仕訳と思っていただくと、仕訳帳にまず以下の内容で仕訳します。


ここでは貸方の勘定科目を純資産(開始残高)としましたが、企業であれば資本金とみなせます。
なお資本金のような単語で「元入金(もといれきん)」という勘定科目もありますが、こちらは主にフリーランス業や個人事業主が開業前に用意したする準備金として扱われるようです。 元入金は個人で業をなすときにのみ使う勘定科目なので、法人では資本金か純資産を使うことになります。
ではこの仕訳を元に預金出納帳を記帳します。


ポイントとしては、前節で述べたように会計ソフトの利用も見据えて、補助科目には銀行口座の情報を詳しく記しておきます。
会計ソフトは仕訳帳に仕訳すると、自動で預金出納帳を生成する仕組みですので、補助科目を空にしてしまうと、システムがどの預金出納帳に付けてよいものか分からない状態になります。
では次なる取引を考えてみます。

5月13日 Aくんは自分の財布にお金を入れるため10000円を引き出した

この日の取引を仕訳してみます。 この仕訳は、


となります。 この時相手勘定科目は「現金」ですので、手元のお金が増えるわけですから

前回解説した現金出納帳

にもこの内容を付ける必要があります。
さて、預金出納帳にこの仕訳の内容を付けてみましょう。


さらにAくんのお買い物は続きます。

5月28日 Aくんは15000円のスニーカーを購入のため、代金を銀行振込で支払った。

なお振込手数料が300円かかった。

この場合、銀行口座から直接お金が移動しているケースですが、このときも当然預金出納帳に記録しないといけません。
スニーカーという本体価格とは別途振込手数料がかかっているので、まず複合仕訳で以下のように仕訳してみます。


ではこれを預金出納帳に追加します。


仕訳帳に複合仕訳で複数行に勘定科目がある場合にはそれぞれの内容で残高を計算して記録します。
ここでは、預金の額が減った順に出金を15000、300と行に記入し、残高をそれぞれ計算しています。
おそらくは、銀行通帳に記帳される内容もそうなっているはずです。
さらに気を良くしたAくんのお買い物は続きます。
次は高校生がクレジットカードを作れるのかはおいておいて、人生はじめてのクレジットカードでのオンライン決済をしたときの仕訳をやってみます。

7月22日

フライパン7000円をクレジットカードで決済した。

8月31日

銀行口座からクレジットカードの代金が引き落とされた。

さて、クレジットカードのように商品代金を購入した日付と、その代金をクレジットカード会社が銀行口座から引き落とすときの日付に差があるので、預金出納帳の書き方には注意が必要です。
まずはフライパン購入時の仕訳は、


となります。
このときAくんはフライパンを購入しましたが、現時点で実際に代金の支払ったのはクレジットカード会社であり、後日料金を請求され、その代金を引き落とされた際にAくんの銀行口座のお金がはじめて動きます。
この場合、勘定科目は後払い全般に利用される「未払金」を使います。
そして翌月末の引落とし日になってはじめて以下の仕訳を記入します。


これではじめて銀行口座のお金が動いたので、こちらの仕訳は預金出納帳に記帳する必要があります。
なおクレジットカード払いの引き落とし日の仕訳は手動で記帳するとよく忘れることがありますが、会計ソフトでデータ連携という機能を使うと、引き落とし内容が自動で仕訳されるため、記帳忘れ防止になって便利です。
ということでこのクレジットカード決済での仕訳を預金出納帳の内容へ反映すると、


という感じになります。

まとめ


以上、今回は預金出納帳の簡単な書き方を練習を解説していきました。
普段から会計ソフトを使うと、預金出納帳を直接書くことはないと思いますが、きちんとした書き方を理解しておくことはどうしても避けられない帳簿なので、この機会にじっくり復習されるとよろしいかと思います。
保有している銀行口座を個別に管理・記録していくのが、預金出納帳の役目ですが、時たま銀行通帳を記帳して、きちんと預金出納帳の内容と合致しているかを確認する作業も大切です。
しっかり口座のお金を管理して、会社の財政状況を把握しましょう。

参考サイト


以下は参考にさせていただいたサイトです。
参考サイト:

預金出納帳の書き方について


参考サイト:

資本金の仕訳はどうすれば?入金の際も使う際もこれでOK!


参考サイト:

預金出納帳の必要性と書き方|クレカ引落や事業以外で使った時はどうする?