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【一人会社の独学経理術】経費の仕訳のコツ〜税区分を考える

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会計ソフトを使って仕訳をしていくと、しばしば

税区分

という会計用語が目に留まります。
普段は会計ソフトの自動仕訳で入力にすると、いい感じに税区分をしてくれる機能がありますが、これを手動仕訳すると税区分も自分でじっくりと選択する必要があります。
ということで、今回は何気なく使っている

税区分

ってなんなのか考えてみましょう。

課税取引〜課税売上・課税仕入

まず税区分において、最初のうちは違いがよく分からない用語に「課税売上(課売)」と「課税仕入(課仕)」があります。
以下の国税庁のサイトで説明されているのをそのまま掻い摘んでみましょう。

参考先: 課税売上げと課税仕入れ - 国税庁


まず当然、一般の消費者は、個人や法人問わず原則として消費税を支払う義務を負います。

事業者が国内で商品の販売やサービスの提供などを行った場合には、原則として消費税が課税されます。

そして個人には関係なく、法人に関係する内容として、

この消費税の納付税額は課税期間中の課税売上げにかかる消費税額から課税仕入れ等にかかる消費税額を差し引いて計算します。

ここで課税仕入れ等にかかる消費税額を差し引くことを「仕入税額控除」といいます。

ここで法人が法人税を納めるときに受ける、仕入税額控除が最終的に関係してくることが分かります。
それで「課税売上」ですが、

課税売上げとは、商品の売上げのほか、機械や建物等の事業用資産の売却など事業のための資産の譲渡、貸付け、サービスの提供をいいます。

ただし、土地の売却や貸付けなどの非課税取引は課税売上げに含まれません。

よって会社でモノやサービスを売った場合に、その売値の10%を消費税として上乗せして得た金額が、課税売上と言っているようです。
もう一方の「課税仕入」は、

課税仕入れとは、商品などの棚卸資産の仕入れ、機械や建物等の事業用資産の購入又は賃借、原材料や事務用品の購入、運送等のサービスの購入、そのほか事業のための購入などをいいます。

事業のための購入であれば、仕入先が免税事業者や消費者の場合でも課税仕入れに当たります。ただし、土地の購入や賃借などの非課税取引、課税対象とならない給与、賃金などは課税仕入れに含まれません。

ということで、会社のために何か買ったら、当然そのモノやサービスにも消費税10%が含まれますので、その消費税分をひっくるめてお買い上げした値段を課税仕入としているようです。
結局は、帳簿でその事業期間の課税売上と課税仕入にかかった消費税を最終的に差し引くことで仕入税額控除が計算できて、その期で国に納めるべき消費税が確定するようです。
ポイントは会社のための購入ならば全て課税仕入とすることができることです。
このように消費税のかかってくる取引を「課税取引」と呼んでいます。
おそらく立ち上げたばかりのほとんどの会社の取引が、この課税取引を意識して仕訳することになると思います。

課税取引以外の取引

取引の内容によっては、消費税のかからない取引も存在します。
例えば、以下のような取引においては、消費税の対象とはならない取引です。

+ 土地の譲渡・貸付

+ 有価証券等の譲渡

+ 支払手段の譲渡

+ etc...

これらは

「非課税取引」

と呼ばれる取引に当たります。
また消費税の対象とならない点では同じですが、以下の取引は非課税取引とは区別される取引になります。

+ 給与・賃金

+ 寄付金

+ 試供品や見本品の提供

+ etc...

これらはいわゆる

「不課税取引」

として知られています。
身近なところで、給与に消費税が課税されないのはなんとなく知ってはいると思いますが、これが不課税取引なんだな、というのは言われないと意識しないものです。
消費税が課税されないならば、非課税取引と不課税取引って全く同じなのでは?と疑問に思うかも知れませんが、最終的にその期の「課税売上割合」を計算する際に違いがあるようです。 端的にいうと、課税売上割合を計算するとき、割り算の分母に総売上高(課税取引額 + 非課税取引額)とするので、非課税取引は計算に加味される、不課税取引は無視される、という扱いになります。
この点を踏まえて、もし会社で「非課税取引」か「不課税取引」を行う際には、税区分も意識的にチェックしてみてください。

会計ソフト(マネーフォワードクラウド会計)上の税区分

それでは

マネーフォワードクラウド会計

から税区分の設定方法を紹介していきます。

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マネーフォワードクラウド会計のダッシュボードトップから

[各種設定] > [税区分]

を開くと、以下の図のように、呼び出しができる税区分を一括して表示・非表示を切り替えることができます。

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左上の

課税形式

のペインを押すと、以下のように簡易課税か原則課税かで項目の表示を切り替えることができます。

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設立当初から売上・収入がおおよそ予測できていて、

簡易課税

を選択されている会社さんはあまりいないと思いますので、原則課税を選ぶと見やすくなると思います。
ここで

原則課税の2つの仕入控除税額の計算方式・一括比例分配と個別対応

に関しては、どちらの方式を選択するかは会社の事情で変わると思います。 ただし、一括比例分配方式を選ぶと、むこう2年間の間は個別対応方式に切り替えられないというデメリットもあるので慎重に選択しましょう。
ということで、弊社のケースで原則課税(個別対応方式)でフィルタリングすると、デフォルトでは以下の図のように、「なにこの税区分?」的なアイテムにわんさかチェックが付いていて見にくい状態になっています。

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一人会社の初めの頃なんて、売掛金の貸倒しや回収などの項目は不要ですし、必要なら後でチェックを入れ直すように使えばいいだけです。
面倒なのが消費税10%と軽減税率8%が現在混在している状況ですので、課税売上・課税仕入の税区分だけは基本残して、他は会社の事情に応じてピックアップしていき、スッキリさせると使いやすい税区分リストが出来上がります。

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まとめ

今回は会計ソフトの税区分に関して考えてみました。
日々の取引のほとんどに消費税が絡んでいますので、よくよく理解して帳簿に記録していきたいものです。

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参考サイト

以下は参考にさせていただいたサイトです。
参考サイト:

【個人事業主】freeeでの帳簿の付け方は?使い方は?【方法は3つ】


参考サイト:

「税区分」の設定方法


参考サイト:

Q. 消費税改正(税率10%、軽減税率)の税区分の名称を教えてください。