の仕訳帳の概要の続きで、今回は
総勘定元帳 という帳簿に触れてみます。
『総勘定元帳』とは、簡単にいうと仕訳帳に記帳した取引の内容を勘定科目ごとに取り出して整理した帳簿のことを指します。
総勘定元帳は仕訳帳とならんで複式簿記には必ず記帳しなければならない書類の一つなので、記帳をサボることが許されないため渋々付けるしかないのですが、そもそもなぜ付けるかというと、法人の確定申告で、最終的な決算報告会計資料である、「貸借対照表」や「損益計算書」の作成に必要になってくるからです。
ということで、一人会社の経営者にとっては、総勘定元帳の書き方を身につける必要がありますので、じっくり理解していきましょう。
大まかな勘定科目
さて「勘定科目」は各自で思い思いの項目を何気なく命名して作れるものではなく、大区分のような項目が7種類が用意されています。
1. 資産
2. 負債
3. 純資産(資本)
4. 収益
5. 費用
6. 損益
7. 残高(閉鎖残高・開始残高)
会計ソフトによって多少は勘定科目名も脚色されていますが、だいたいこの7区分のどれかに属したものになっているようです。
会計士でもないので、素人目には取引の勘定科目名を何を選べば良いか悩ましいところです。
そこで会計ソフトの勘定科目の辞書項目からもっともその取引名に近しい名前の項目を選ぶことができます。
マネーフォワードクラウド会計を例にすると左のメニューから
で辿ると、会計ソフト側で既に用意された勘定科目が参照できるようになっています。
どうしてもお目当ての勘定科目がなさそうなときには、Google検索に頼ることになります。
例えば会社のインターネットの通信費の勘定科目名が分からないとすると、
などと検索すると必ず誰かが凡例を挙げていらっしゃるはずです。
会計ソフトでは総勘定元帳は自動生成される
昨今の会計ソフトのほとんどが、仕訳入力すれば自動で派生の元帳が出力される機能が準備されています。
つまりは、エクセルで頑張って帳簿を管理しているやり方では、その日の取引を仕分けしたら、記入漏れを防ぐ意味で総勘定元帳にも記帳することが求められるのですが、会計ソフトで仕訳入力するとこの煩わしさから開放される...というメリットが得られます。
マネーフォワードクラウド会計では
で各勘定科目ごとの帳簿を確認することができます。
会計ソフトは仕訳帳から読み取った勘定科目を元に、自動で総勘定元帳を生成してくれます。
例えば、当期の普通預金の勘定科目の元帳を開いてみますと、
のように人間が記帳した覚えはなくとも、コンピュータが自動でやってくれる訳です。
ちなみに法人向けのマネーフォワードクラウド会計は無料プランだと年間仕訳数50件という制限があります。 年間の取引数が50件以上になるようであれば有料プランに切り替えて使いましょう。
総勘定元帳への転記(っぽい)の例
前回 に引き続いて、勤勉なアルバイト高校生Aくんの懐事情を例にとって考えてみましょう。
前回までのAくんの仕訳帳の記入は以下のようになってました。
4つしか取引項目がないですが、このAくんの仕訳帳を元に、手動で現在の総勘定元帳を考えてみましょう。
まず
の勘定科目のページに記帳します。
次に、費用の勘定科目のページに記帳します。
の勘定科目のページも記帳します。
あとは
もあるのでこの勘定科目のページにも記帳します。
...このように自分が手動で管理する総勘定元帳は、たった4つの取引でも、勘定科目のバリエーション次第で、色んな勘定科目のページに記帳しなくてはならないので大変です。
もし会計ソフトを使わずにエクセルのような表計算ソフトで経理業務を済ますなら、取引の度に仕訳帳に記帳するのと同時に、総勘定元帳も絶対に記帳しましょう。
それでも人間の手だと絶対に入力を間違うことが起こり得るので、仕訳作業は会計ソフトを利用するほうが無難です。
参考サイト
以下は参考にさせていただいたサイトです。