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【ちょこっとコラム】熱を帯びる私立校受験市場〜小中学生の学習塾代が過去最高

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タコキンの運営ブログ|熱を帯びる私立校受験市場〜小中学生の学習塾代が過去最高に


文部科学省が1994年度から隔年ごとに行っている「子どもの学習に関する家計支出」の実態調査をまとめた2021年度「子供の学習費調査」の調査報告がこのほど公開になりました。
今回の文科省の全国調査はコロナの影響で3年ぶりの調査で、幼稚園児から高校生までの児童生徒がいる保護者約2万7千人からの回答を集計したもののようです。

参考サイト|子供の学習費調査-文部科学省


折角ですので、「小中学生の学習塾事情」の時勢を記録するうえでも、ブログ記事として残しておきたいと思います。


小学生・中学生の学習塾に通わせる意義について

一般的に生涯で最も学習能力の高い小中学生の時分に与えられる学習環境によって、その後のお子様を学力、ひいては将来の選択肢を左右すると言っても過言ではありません。
昔とは違い、現在の社会の多様性の進化に伴って、子供たちの学ぶ機会は「学校教育だけで十分」では無くなってきつつあります。
特に近年では、日本の国際競争の低下が著しく、報道番組などでも特集を組んで、楽観視できない将来の日本の厳しい現実を考えさせられる機会も多いことでしょう。
「国際競争力」と言っても、かつての画一的で単純な学力というイメージが付きまとっていましたが、今はスポーツや文化など多種多様な分野で活躍できる時代になり、これまでの物差しでは測れないのかもしれません。
とはいえ、言語によるコミュニュケーションは人類にとって普遍であり、例えば英語を中心とした語学系の学習塾などを筆頭に、しっかりと国際的に活躍できる能力を早い段階からお子様に学ばせておくことが重要なのは変わりません。
親心としては、しっかりとした実績のある学習塾をチョイスしたいところですが、やはり気になるのは「お隣のご家庭はどの程度子供の学習塾にお金を出しているのだろう?」という先立つものの諸事情でしょう。
現実問題として、子供の学力や身体能力と、ご家庭の経済力は強い相関があり、子供の個々の先天的(遺伝的)な才能と呼べる要素だけを期待すべきではないと思います。
若干言葉が悪く聞こえるかもしれませんが、「子供の才能は金で買う」、という傾向は社会の取り巻く情勢を考えると、さらに強まっていくことでしょう。
結論からいうと、お子様を学習塾に通わせることは基本的に高い出費になるのは当たり前ですが、それはお子様の将来にとってかけがえのない投資にもなります。


子供の「学習塾費」

ということで、学校外の学習活動一般にかかる・「補助学習費」のうち、「学習塾費」に関して今回公開された結果をまとめてみましょう。
以下の表は全学年別補助学習費についてです。

合同会社タコスキングダム|タコキンのカツカツ経営ブログ


出典:

https://www.mext.go.jp/content/20221220-mxt_chousa01-100012573_3a.pdf


なお表中の網掛けは各支出項目別の最大値を示しています。
まず、ほとんどの学年で学校以外の学習活動中の学習塾にかける費用がもっとも大きくなっています。
小中学生の項目を中心に見ていくと、

公立校小学生の全学年平均8万円強、私立校小学生の全学年平均27万円強、というのは調査開始以来、最高

となりました。
一方で中学生の場合だと、公立と私立では学習塾比率が逆転し、公立の場合25万円程度、私立は17.5万円となっています。
この辺は、公立中学生をもつご家庭のほうが、高校入学を見据えた学習塾を私立に通わせる過程より多く利用されているような傾向があります。
学習塾費用に関して、気になる調査結果がもう一点あり、以下は"学習塾費の金額分布"をまとめた表になります。

合同会社タコスキングダム|タコキンのカツカツ経営ブログ


出典:

https://www.mext.go.jp/content/20221220-mxt_chousa01-100012573_3a.pdf


なお表中の網掛けは各支出項目別の最大値を示しています。
この表からは、学習塾費を支出している場合に、学習塾に支払う支出の料金帯の割合になっているのか、分布で示しているものです。
学習塾を利用していない(=0円)の家庭を除いた場合、私立小学生および公立・私立中学生では年間40万円以上の割合がもっとも大きくなっています。
学習塾を利用している家庭の年間平均支出額は、公立小学校で20.8万円、私立小学校で37.5万円、中学校では公立35.6万円、私立32.6万円となっています。
あくまでも平均額ですが、学習塾を考えているご家庭にとっては、ある意味この値段帯が一つの目安となるでしょう。


児童生徒1人当たりの学習塾費が増えている

もう一点、過去の調査データとの比較に関しても見ていきましょう。
小中学生の学習塾費用の推移(児童生徒の一人あたりの年間平均額)

合同会社タコスキングダム|タコキンのカツカツ経営ブログ


出典:

学習塾代が過去最高 公立小学生は年8万円、私立27万円|日経新聞


結論から言えば、

学習塾への家計支出が増えている

ようです。
この増加の主要な一因として、新型コロナウイルスの影響で休校が相次ぐ中、遠隔による学習支援が比較的手厚い私立学校の人気が高まったことが背景にあるとみられています。
個別に見ていくと、毎年ほぼ横ばいだった公立小学生の年間の塾代は、前回の2018年度の1.5倍の平均8万円を超えていることがわかります。
まずグラフから分かるように、小中学生の学習塾への年平均支出は毎年右肩上がりに伸び続け、公立・私立いずれも過去最高に達しています。
また公立の中学生の場合でも、25万円強で前回調査よりも2割ほど増加しています。 私立の場合、私立小学校は27.4万で同8%増、私立中学校は17.5万円で同14%増でした。
ということで、文科省の見解では、「児童生徒1人当たりの学習塾費が増える傾向にある」というのが今回の調査のポイントになっています。
増加の背景について、2020年度から始まったコロナ感染拡大の影響で、学校が軒並み一斉休校となり、2021年まで休校措置が断続的的に相次いだことがあるとされています。
リモート授業の全国的な拡大により、ICT(情報通信技術)の活用の取り組みが進んでいる私立校への進学を希望する家庭が増加し、そのため私立校の受験対策を扱う学習塾の需要が大きくなった、ということのようです。
そのため学習塾への支出は、私立校が集中している都市部で特に増加しており、ここでも地方との格差が大きくなっているのかも知れません。
今後、コロナによるパンデミックが終息すると、学習塾熱も一旦収まる可能性もあります。