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【ちょこっとコラム】2024年度の国立大入試から「情報」が必須化するらしい

タコキンの運営ブログ|2024年度からの国立大入試で「情報」が必須化するらしい


大学試験と言えば、国語・数学・英語・理科・社会の5教科で、そのうち社会は日本史・世界史・地理・倫理...から選択2科目、理科は物理・化学・生物・地学から選択2科目のいわゆる

『5教科7科目』

がベースとして構成されているのはご承知の通りでしょう。
長らくこの大学試験体制でやってきたのですが、2024年度から

『情報』

という新教科が新たに試験に編入され、

『6教科8科目』

へと刷新されるようです。
今回はこの「情報」という新教科に関して、分かる範囲で少しまとめてみましょう。

情報が教科に追加された経緯

全国86の国立大学で構成される

国立大学協会

は2022年1月28日に公表した

「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度―国立大学協会の基本方針―」

の提言の内容で、2024年度の国立大学の入試試験から

『情報』

という新教科が新たに試験に編入し、

『6教科8科目』

を採用することが明らかになりました。
これで2022年度から始まる高等学校の新学習指導要領において、

「情報I」

が全ての生徒が学ぶ必履修科目として履修されるようになります。
なんとも早急な発表にも思えますが、何年も前から「情報」を高等学校の必須教科にする動きはじわじわと準備されており、それがいよいよをもって本格稼働することになったようです。
国立大学協会では、「高等学校における基礎的教科・科目の学習の達成度を測る」ことを目的に、これまで一般選抜において大学入学共通テストで

「5教科7科目」

を原則として掲げてきました。 既に国立大学においても多くの大学で、

「数理・データサイエンス・AI教育」

が文理を問わず全ての学生が身に付けるべき教養科目として履修されています。
このような中において「情報」に関する知識については、国立大学の教育を受ける上で必要な基礎的な能力の一つとして位置付けられてきました。 今回の基本方針では、一般選抜において「情報」教科を加えた「6教科8科目」を課すことを原則とすることは国際的な高度情報通信社会への転換期において、教育の在り方も大幅に見直す上で、ごく自然な流れといえます。

情報Iとはどんな教科?

ということで、2022年度から

「情報I」

が高等学校の必修科目として導入されるため、つまり今年の新高校一年生が最初にこの情報Iを履修する学年となる運びになります。
さらに2025年1月頃を皮切りに実施の始まる大学入学試験から、一次試験(大学入学共通テスト)で「情報」科目を受験生全員が原則として受ける必要が出てきます。
現状では新一年生向けの「情報I」の教科の目次の一例が下の図のようになっています。

合同会社タコスキングダム|タコキンのカツカツ経営ブログ


合同会社タコスキングダム|タコキンのカツカツ経営ブログ


出図:新編情報Ⅰデジタルパンフレット| 東京図書出版社より,

https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/text/hs/joho/16650/


どちらかと言えば、ネットリテラシーや情報倫理などを中心としたインターネットを使う上で知っておくべきマナーのような課題が中心に学習するようです。
これは大学での履修になっている情報系の教育科目を受講する上で、スムーズに理解ができるように基本的な素養や能力を高校の3年間を通りて身につける、という目的に対応した課題・テーマが見て取れるかと思います。
「常識の範囲で、情報技術の基礎的な知識を身に付けましょう」というのがこの「情報I」の狙いであり、特定のプログラミング言語を実用水準まで習得するようなものでは無い、というのは保護者かたも知っておいても損はないと思います。
大学や国の教育機関は、高校生全てをプログラマーにしたいと考えている訳ではないので、受験対策としてはこれまでと同様に教科書の内容のしっかりとした理解と読み込みが重要であり、必ずしもお子様にハイスペックなパソコンを購入してあげる必要は無いでしょう。
他方、6教科8科目になったからといって、他の教科に書ける学習時間が軽減されるという議論はなされていません。
つまり1教科が増えた分、年間のトータルの履修時間がそれよりも上の年代のよりも長くなってしまうので、学習の取り組みの負荷も増えて少し可哀想な気がします。
...大学の方針が変わったので、現状で不満を口にしても仕方ないのかも知れません。
ちなみに、必須教科である「情報I」は高校生全員が授業を履修する必要がありますが、それよりも進んだ内容を取り扱う「情報II」は選択科目として選択できるようになります。
現状で、「情報II」の詳細な概要は公開されていませんが、おそらく今年中にも新高校二年生の情報のテキスト、翌年には新高校三年生のテキスト、そしてそれらの内容を元に作られる各国立大学の情報の試験が段階的に作成されていくのでしょう。
なお、大学入学共通テストでの「情報」科目試験の導入初年度である2025年〜からの試験では、既卒者となる受験生への経過措置を配慮して、現行の学習指導要領の内容に対応した

「旧情報(仮称)」

が併せて出題される方式を採るようです。
これによって既卒者となっている受験生でも、自らが学んだ学習の成果を測るものとして「旧情報」を選択受験することができます。

情報を教える教員は確保できているのか

今年2022年の4月から高等学校の授業で「情報」教科の授業が始まることが予想されています。
結論からいうと、新しい情報教科を担当できる教員の数はまだ十分足りていない、というのが現状のようです。
以下のチャートは2020年5月時点で、情報教科を担当することの出来る全国の教員を集計した際のデータになっています。

合同会社タコスキングダム|タコキンのカツカツ経営ブログ


出図: 「高等学校情報科担当教員に関する現状について」令和3年3月31日更新,

https://www.mext.go.jp/content/20210330-mxt_jogai01-100013301_007.pdf


調査当時では、(選択科目扱いの)情報科目の授業を専門に担当する教員は5072人いて、そのうち情報共通教科に移行してもそのまま授業を担当できる資格である「高等学校教諭普通免許状(情報)・高等学校教諭特別免許状(情報)」を有しているのが3839人となっています。
現在の情報科目では、「高等学校教諭臨時免許状(情報)」保有者や「高等学校から情報の免許外教科担任の許可を受けた」教員であれば担当可能ですが、これから情報が共通教科に格上げされるとこれらの先生たちは担当できなくなります。
ということで文部科学省としては、約二年前から計画的な情報教科を担当できる有資格者教員の拡充を呼びかけてきました。
特に、情報免許状を保有していても情報教科を担当していない教員が6064人も存在していたため、まずこれらの人材を活用する効果的な配置の工夫を促したり、リモートなどで複数の高校を跨いで授業を担当できるような取り組みを推進されています。
もちろん情報免許状を有する教員の数がこれからますます必要になってくるにあたり、教員採用試験そのものも見直していく必要があります。

まとめ

兎にも角にも、今年の高校新一年生から、情報科目を担当する高校教諭、大学試験の運営関係者の方たちの負荷がこれから更に増していくことが懸念されます。
これに対しては身体的・精神的ケアに関しても社会全体で考えていくことになりそうで、まだまだ課題は山積みのようです。

参考サイト

「情報」が国立大入試で必須化、6教科8科目制に「大学教育を受ける上で必要な基礎能力」


「情報I」2022年4月スタート、目的・学ぶ内容は?