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【ちょこっとコラム】2021年度版高校生白書をみて思う最近の高校生の人気進路についてのひとり言

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タコキンの運営ブログ|2021年度版高校生白書をみて思う最近の高校生の人気進路についてのひとり言


少し話題に登っていましたが、去年2021の暮れに学研ホールディングスの教育総合研究所が公開した高校生1〜3年生のなりたい職業を集計した内容が話題になっていました。
若者たちの将来の意識を反映しているのか、時代の変化を感じる調査内容になっていましたので、弊社の参考資料の用途も兼ねてエッセンスをまとめておきます。


高校生のなりたい職業一位は...「プログラマー」って本当ですか?

コロナ禍の世相を反映してテレワーク勤務のできるプログラマー職というのが、高校生の進路においてもスタンダードな選択肢として定着しつつあるのを感じます。

合同会社タコスキングダム|タコキンのカツカツ経営ブログ


なお調査期間は2021年8月27-30日、高校生男女各300人を対象にインターネットで実施した調査結果のようです。
集計した結果のグラフは解答として10人以上(1.7%以上)に支持された職業に間引いてみました。
まずはこの調査でもっとも世間にインパクトを与えたことはなんと言っても、長らく盤石の一位と目されていた「公務員」が首位の座から陥落し、

エンジニア(IT系プログラマーを含む)が一位になった

と話題になっていました。
これだけ見ると、いよいよ「プログラマー」が高校生でもっとも人気の職業になったのか、という印象を与えてしまいそうですが、個人的には、これは少々

集計のカラクリ

があるように思います。
同じ調査の前回分も確認しておきましょう。 この調査は隔年で行われ、前回の調査は3年前の2018年の同じ時期にも行われています。

合同会社タコスキングダム|タコキンのカツカツ経営ブログ


この前回の2018年の調査では、2021年で1位になっていた

「エンジニア・プログラマー(機械・技術・IT系)」というカテゴリーが、「プログラマー・プログラミングエンジニア」と「エンジニア・技術者」の2つに分かれていた

ことが分かります。
もしも仮に前回の調査で、「プログラマー・プログラミングエンジニア」+「エンジニア・技術者」の数を足してみると、

「エンジニア・プログラマー(機械・技術・IT系)」が7.9%となり既に前回の調査で圧倒的に1位になっていた

ことが伺えます。
というか、結果を足してから2021年のものと比較すると、むしろプログラマーなども含むエンジニア志望者が

7.9% > 6.7%

に減っている...ので、人気が衰えてきてるとも取れるわけです。
さらに言うと、前回の調査から今回の調査で、公務員の志望者がより増えています(

5.2% -> 6.0%

)。
これはもうやはり、

公務員が実質一位なんじゃないか

と思うのですが、「やっぱり公務員が不動の一位ですよね」という結果をあまり表立って見せたくない意図が水面下で働いていたのかな?と勘ぐってしまいまいした。
他方、悲しいことに、むしろ研究者は進路候補に選んだ高校生が10人もいなくなってしまい順位を落としてしまいました。
日本の国際的な科学技術研究の競争力を向上させていかなければ、何かと国の将来が危ぶまれると個人的に危機感を持っているため、ここに来て志望者が減ってきているのは残念に思うところがあります。
政府や教育現場の方々には、もっと子供たちへの次世代の産業を見越した教育の質を上げていかれることを期待せずにはいられません。

ニューノーマルな希望進路の潮流

前回の調査はコロナ禍前に行われており、今回の高校生の希望進路の変化も大きく順位変動があった職業もあります。
例えば、海外指向の女子高校生の進路先人気の定番であった、

CA(キャビンアテンダント)

がコロナ禍の影響で大打撃を受けている航空産業の先行き不安から、進路志望者が激減してしまいました。
代わりに、国際的な活躍を目指す高校生に人気なったのが、

「国際協力関連の業種」

となっています。
ただ、いつ終わるかも分からないコロナ禍の時代において、どの仕事でも海外へ気軽に行くような時代には後戻りできるかも分からないため、オンラインを通じて世界中の人々とコミニュケーションできるような翻訳家などの職業がこれから人気になってくるのかも知れません。
後は、地味に大躍進となったのが、

「運転士」

です。
これは主に鉄道機関士・運転士のことのようですが、長い自粛生活で日本全国さえも自由な移動を制限される状況に嫌気が差しているのは、大人だけはないのかも知れません。
ただし、鉄道分野もコロナの影響で厳しい状況に追い込まれているのは変わらず、この人気がいつまでも続くのかどうかは分からない状況かと思います。
個人的に運転士と聞くと、職業運転士の想像してしましましたが、この数年の社会問題としても大きく取り上げられていた運送業のドライバー不足も解消するのはまだまだ先のようです。


SNSを使った新しい職業も人気

3年前には無かったもしくは流行りではなかったSNSサービスを使った新しい職業の形も数年でちらほらと高校生の進路へ影響を与えているようです。
例えば、

「プロeスポーツプレーヤー」

などはこの数年で認知されてきた職業であり、世界的にも大きなマーケットに成長すると目されているだけに、仕事でゲームをプレーする、という一昔前なら冗談に聞こえる世界が真面目に受け取らなければならない世の中になったのが感慨深いです。
他にも、既に3年以上も前から人気であったYoutuberなどのネット動画配信者も人気の職業として定着し、特に男子高校生の中に本気の進路選択肢として捉えている生徒もいるようです。
そのような本気でSNSでの動画配信を生業にしようと考えている場合には、既に動画配信を自主的に始めて、ある程度収益化の目処が立ち、高校卒業とともに動画配信に専念するケースも見受けられ、なかなか今の高校教諭の方々の気苦労もあるのかも知れません。
さらに今後は、去年から盛んに報道でも取り上げられる「メタバース」の市場も世界的に活性になっていきています。
インターネット上のバーチャル空間を介して、様々な人々が交流し、リアルタイムのビジネスが可能となる世界になれば世界中の人々と繋がる全く新しい市場が始まるのかも知れません。
次の調査でおよそ3年後の同じ時期に開催されるとき、全く新しいタイプの職業が人気の職業としてランキング入りしていても普通の社会になっていくような気がします。



参考サイト

高校生白書Web版2021年8月調査